訪問鍼灸奮闘記#0~グループ院からの転職~

訪問鍼灸奮闘記 鍼灸の話
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こんばんは!かげひなたです。13歳の頃から鍼灸師を目指し、高校卒業後に鍼灸専門学校へ進学。

2年時からはコロナ禍という前例のない環境下での学生生活を強いられながらもそれを機に勉強に没頭。

国家試験を突破して晴れて鍼灸師となりました。

しかし、最初に就職したグループ院での経験から、「本当に自分がやりたい鍼灸治療とは何か」を深く考えるようになり、転職を決断。巡り巡って訪問鍼灸師となり現在で4か月が経ちました。

転職前の自分もそうだったように、訪問鍼灸については鍼灸師の間でもまだまだ認知度が低いと感じています。

さらには訪問鍼灸という選択肢を知らないがために脳梗塞後遺症や脊柱管狭窄症などで思うように身体が動かせずに苦しんでいる患者さんも多くいるのが現状です。

訪問鍼灸について少しでも知ってもらいたいと思い、この記事を書こうと思いました。

グループ院での過去、訪問鍼灸に転職した今、そして24歳の現役鍼灸師が思い描く未来を「訪問鍼灸奮闘記」と題してシリーズ化しながら言葉にしていこうと考えています。

今回は過去のお話。グループ院入社から退職までの経緯を書いていきます。

訪問鍼灸の話と言うよりかはグループ院でのお話になります。

就職でグループ院を考えている、逆にグループ院には絶対入りたくないと考えている鍼灸学生の方、転職を迷っている鍼灸師の方に自身の経験を踏まえ少しでも役に立つ内容となれば幸いです。

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グループ院入社の裏側

2024年5月、約2年間勤めたグループ院を退職しました。コロナ禍に見舞われながらも順風満帆な学生生活を過ごし、国家試験も8割で通って自信満々で入社してからの見事なまでの転落劇でした。

もともとグループ院には全く興味はありませんでしたし、良いイメージも持っていませんでした。

学生時代のグループ院のイメージはこんな感じ

・回数券や売上ノルマが厳しそう


・拘束時間長いの辛そう


・マッサージばかりやらされる

 
・体育会系のノリについていけなそう


・物療ばっかりで自分の技術は伸びなさそう


・マニュアルに縛られて自分のやりたい治療ができなさそう

このようにとてもネガティブなイメージを持っていました。

それなのになのになぜグループ院を選んだのか。

グループ院入社までの経緯

理由としては他のグループ院にはない取り組みを自分が入社した院が行っており、その取り組みにとても魅力を感じたのです。一例をあげるとこのような取り組みをしていました。

  1. 物療に頼らない手技メインの治療
  2. マニュアルに縛られない自分の考えや知識を活かした治療スタイル
  3. 東洋医学専門院、美容鍼灸専門院の出店

魅力的な部分はまだまだたくさんあったのですがここでは割愛します。

特に引かれたのが3の東洋医学専門、美容鍼灸専門院の新規出店。

いきなりこの院に配属とはならないが2~3年既存の院で経験を積んだ後、東洋医学専門院や美容鍼灸専門院で働くキャリアを選択できるというシステムでした。

これは他のグループ院ではやっていないことでしたし、東洋医学が大好きな自分にとってはすごく魅力に感じました。

すぐに入社を決断。院見学から内定まで約2か月という爆速就活で3年生の5月の時点で就職先を決めることが出来ました。

グループ院入社を前にして狂い始めた歯車

ここまでの流れは完璧でした。あとは国家試験に受かるのみ!

成績も大きな問題なく進んでいました。しかしながら入社前から徐々に歯車は狂い始めていました。

なんと入社の決め手にもなった東洋医学専門院、美容鍼灸専門院が閉院してしまったのです。

これを知ったのが国家試験の約2か月前。

入社を前にして思いもよらない出来事が起こってしまい、自分が思い描いていたプランは総倒れ。

正直どうしようかと思い悩んでいました。

少し後ろ向きな気持ちで自分の鍼灸師人生はスタートを切りました。

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グループ院での2年間

この会社を選んだのが本当に正しかったのだろうか。

自分にこの会社で成し遂げたいことを新しく見つけられるだろうか。

グループ院に対してのネガティブなイメージは払拭できるだろうか。

本当に不安な状態で入社当日を迎えました。

幸いにも人間関係は良好、教育体制も万全、拘束時間も長かったのですが意外と気にはなりませんでした。

給料や休日もしっかりと担保されており十分すぎるくらいの環境ではあったのです。

この点はグループ院の良い部分だったと感じてます。

グループ院を辞めたい

それでも前を向ききることは出来ませんでした。

鍼で治したい、東洋医学を駆使したい。

良くも悪くも自分のこだわりを強く持ちすぎていたなと今になって思います。

グループ院では再現性、治療の分かりやすさが重要視されます。

東洋医学をやりたくなくてグループ院を選ぶ鍼灸師もいるほどで、そんな環境下で自分のこだわりを押し付けるようなことは許されませんでした。

もともと東洋医学をやりたくて選んだ会社だったのにそれが無くなったことで熱意を持って働くことが出来ずにいました。

院長を目指す、月間売上100万円を目指すと口で言ってた時期もありましたが、本心ではないその言葉に思いを乗せ、行動に移すことは出来ませんでした。

良い求人をどう探すか

辞めたい気持ちを持ち続けながら働き続けるのは辛いもので、それでも早いタイミングで辞めることは出来ませんでした。理由としては

良い求人を見つけられなかったから

仕事以外の時間はあらゆる求人サイトを漁ってばかりでした。

しかし出てくるのは同じような求人ばかり

  • 物療に特化!
  • 業界では珍しい完全週休2日制!
  • マニュアル完備で1年目から結果が出せる
  • 当院独自の矯正術

鍼灸の話が全く出てこないのです。柔整師だったらなと何度思ったことか・・・

転職するくらいなら今の職場の方がマシだなと思える求人ばかりでした。

グループ院からの転職

2年目もあっという間に過ぎ去っていきました。しかし、転職したいという思いや悩みは持ち続けたままでした。

いい加減決断を下さなければ。もう2年目の3月になっていました。

転機が訪れたのはこのタイミングでした。

SNS経由でとある治療院転職エージェントさんを見つけました。(※名前は伏せます)

発信している内容やそれに対する周囲の先生方の反応を見るとこれは信じてみていいかもしれない!

そう思いすぐに相談しました。

転職活動スタート

すぐに予定を合わせてくださり初回は1時間ほどかけて今の会社にいるべきか、転職するべきか。

自分の思いや考えをすべて話し、じっくりと時間をかけ、いろんな相談に乗ってくださりました。

そのエージェントさんはとても丁寧に話を聞いてくださり、自分の適性に合った治療院の求人を次々に紹介してくれました。

今よりもより自分に適した環境で鍼灸師として働ける!そう確信しました。

これを機にグループ院からの退職を決意。

1年以上悩み続けていたものから解放され、新たな一歩を踏み出しました。

グループ院で得た教訓と反省

2024年の3月に退職を決断し、5月に退職。

矛盾する表現になりますが1社目にグループ院を選んだことも約2年で退職という決断を下したこともどちらも最高の選択だったなと感じています。

ただ、もっとこうすれば良かったな。と思うこともあります。

グループ院の光の部分も闇の部分もある程度目にすることが出来ました。

2年間のグループ院の勤務で得た教訓と反省をいくつか紹介していこうと思います。

1.就活では複数の院を見学すること

これは当たり前のことかもしれませんが、自分はこれが出来ませんでした。

校内の就職説明会では強制的に複数社の話を聞くわけですが実際に見学に行ったのは1社のみでした。

話を聞いて魅力に思えたのがその1社だけだったというのもあったのですが少し安易だったなと今になって思います。

複数の院を見比べることで自分の本当にやりたいこと、したくないことが明確になります。

  • マニュアル完備という仕組みの中で治療家人生を歩む
  • 自分の頭で考え抜く治療をする
  • ワークライフバランスを大切にしながら働く
  • とにかくお金!拘束時間や勤務時間関係なく働きたい
  • 給料よりも高い技術を身に付けたい
  • 院長やマネージャーとなり人を動かす立場になる

様々な可能性や選択肢が見えてきます。

1社だけ見たのと5社10社と見たのとでは治療院の見え方や自分の理想の形が大きく変わってきます。

自分自身の経験からも複数の院を見学することをオススメします

2.グループ院でも新規出店は失敗する

院にもよりはしますがグループ院はかなりのハイペースで店舗展開をしていきます。

求人サイトにはよく1年目から院長目指せます!2年目で院長になれました!という文言がありますがこれは事実です。

それくらいしないと店舗数に対して院長の数が追い付かないのです。

コンサルももちろん入っていますし、マーケティング部を社内に設けている院もあります。

自分が勤めた院もそうでした。

コンサルやマーケティング部の力によりネット集客もバッチリ、立地調査やターゲット調査もバッチリ。抜け目なく綿密な計画と戦略を立てた上で新規出店を行うわけです。

それでも上手くいかず新規出店から1年以内持たずして閉院する院もあります。

本記事で話をした東洋医学専門院と美容鍼灸専門院も1年持たずの閉院でした。

治療院を出店するということがどれだけ難しいものなのか身をもって感じました。

自分で開業するとなるともっと苦労しそうな気がします

3.グループ院だからと言って勝手に数字が上がることはない

1年目や2年目で院長を目指せるというのはとても魅力的かもしれませんが

やり方を1つ間違えればレベルの低い院長が量産されるわけです。

既存の院も経営状況によっては閉院は普通に行われます。

グループ院だから何もしなくても勝手に患者さんが来るということは絶対にありません。

集客も売り上げも当たり前に生み出されるものではありません

必ず誰かがめちゃくちゃ動いてくださってます。

そのことを絶対に忘れてはなりません。

4.自分のこだわりだけを押し付けない

とにかくたくさん鍼を刺したい、お灸をしたい。こだわりや熱意があるのはとても素晴らしいことなのですがそれだけにこだわるのはNGです。

理念やマニュアルをはじめとして会社には会社のルールがあります。それに従うのみです。

ルールを破ったり、言いがかりをつけるような行為はチームの輪を乱すことに繋がります。絶対にやってはいけません。

グループ院の臨床現場において学校で習ったような舌脈を診たり、経絡治療をしたりというのはほぼありません。

学校で習ったことを全く生かせないことにギャップを感じるかもしれません。

しかしなぜそれが行われていないのか?を考えるところが第一歩目です。

まとめ

今回はグループ院の入社から退職までのお話をしていきました。

エージェントと出会い、その後どのような経緯で訪問鍼灸院への転職を果たすのか。

実は転職活動は思っていた以上に難航しました。

そういった部分も踏まえてまた次回の記事を書いていこうと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました!

24歳の鍼灸師
学生時代ケガに苦しんだ部活動生活を送ったことがきっかけで鍼灸師を目指す
専門学校入学直後は成績下位ながらもコロナ自粛期間をきっかけに成績が急上昇。国試本番では正答率8割越えで合格。グループ院に就職も2年で退職し現在は訪問鍼灸師として働きながら学生時代の思い出や現在地をブログ記事として更新中。将来は鍼灸院の開業を目指している

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