経穴の学習は、鍼灸師になるためには避けては通れない重要な科目です。
しかし、覚えることが多く、どこから手を付ければ良いか悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
全361穴を覚えることに加え、要穴や解剖学的知識、臨床での応用についての知識も必要です。
本記事では、経穴の学習を効率的に進めるための正しい方法を徹底解説します。
重要なポイントから細かい部分まで確実に押さえ、国試だけでなく、臨床に出ても通用する知識をどう身に付けるか。という点まで徹底解説していきます。
鍼灸国家試験、臨床でも通用する経穴勉強法の第一歩:基本を押さえることが大切
まずは基本を押さえていくことが経穴を学んでいく上での第一歩になります。
算数で言う足し算引き算、英語で言うアルファベットのようなものです。
経穴の基本用語を理解することが初めに必要になってきます。
- 経穴
- 奇穴
- 経脈
- 絡脈
- 奇経
- 要穴
このような用語をまずは自分で説明できるようになることが第一歩になります。
最初の時点ではざっくりで大丈夫です。あまり時間をかけることなく意味が分かるくらいのレベルで基本用語を押さえておきましょう。
効率的な暗記法:経穴を体系的に覚えるコツ
本記事の最重要ポイントに入っていきます。
基本用語を押さえたら経穴を覚えることに取りかかっていきましょう。
膨大な量を覚える必要があるので苦しくなりがちです。特に暗記しようとすればするほどしんどくなります。
経穴を体系的に覚えるためには、次の4つのステップを順を追って進めることが大切です。
- 正経十二経脈に加え、督脈と任脈の経穴をすべて暗唱し、それらを漢字で書けるようにする
- 要穴を覚える
- 経穴の位置や取穴法を覚える
- 経穴の由来や臨床での用い方、解剖学との関連、東洋医学的視点から見た経穴の特性を知り、説明できるようになる
これにより、ただの暗記ではなく、経穴の意味や役割を深く理解し、臨床で応用できる力を養うことができます。
これらの4つのステップを踏むことで、経穴を体系的に学び、試験に向けてしっかりと準備が整います。
1つずつ詳しく見ていきましょう
正経十二経脈・督脈・任脈を暗唱し漢字で書く重要性と方法
まずはすべての経穴を順番通りに暗唱できるようになることが第1のステップです。
すべての経穴を暗唱できるようになることで経穴の全体像を捉え、要穴やそれぞれの経穴の繋がりや関連を理解しやすくなってきます。
経穴暗唱のコツ1:五感をフル活用する
記憶を促進するためには五感を刺激してあげることが重要になってきます。
すべての経穴を漢字で書いていくことは五感を刺激してあげることに繋がります。
また、経穴の名称は、漢字の意味がその機能や由来に直結している場合が多いため、漢字で正しく書くことにより、単なる暗記ではなく深い理解が進みます。
書くことで視覚と触覚を刺激し、経穴を暗唱していくことで聴覚を刺激してあげることができます。
五感をフル活用して経穴を覚えていきましょう。
経穴暗唱のコツ2:毎日取り組む
1度ですべての経穴を暗唱できるようになるのは不可能です。
ある程度の時間をかけて少しずつ覚えていきましょう。
そのためには毎日暗唱に取り組んでいくのが1番の近道です。
最初は教科書を見ながら経穴を覚えて、その後教科書を閉じて暗唱していきます。
止まったり、経穴が思い出せなかったらまた教科書を見て1から順番に言えるようになるまで暗唱していきます。
繰り返していくことで少しずつ暗唱が出来るようになってきます。
最終的には教科書を全く見ずにすべての経穴を順番通りに詰まることなく暗唱できるようになるまで持っていきましょう。
要穴を効率的に覚えるためのポイントとコツ
一通り暗唱できるようになったら次は要穴を覚えていきます。
要穴表というのがあるのでそれをすべて覚えていきます。
一気に覚えていっても良いですし、まずは各経脈ごとに押さえていっても良いです。
五行穴に関しては暗唱が出来ていればスムーズに覚えていくことが出来ます。
五要穴は臨床上よく用いられる経穴であるためしっかりと覚えておきましょう。
その他も様々な種類の要穴がありますが、覚え方としては自分で要穴表を作るのが良いでしょう。
このような表を何も見ずに自力で埋めることが出来れば完璧です。
ちなみにこれはほんの一部の要穴にすぎません。
五行穴五要穴の他にも八会穴、八脈交会穴、四総穴、下合穴を覚えていく
とにかくアウトプットあるのみです。最初からすべては書けないと思います。
必死に思い出そうとする。
思い出せなかったら教科書を見る。苦労して覚えた所は記憶にも定着しやすいです。
表を作ったり、紙に書きだしたり、思いつく限りの方法をたくさん実践して知識として定着させていきましょう。
経穴の正確な位置を理解するための実践的アプローチ
要穴を覚えた後は各経穴の位置を覚えていきましょう。
押さえるポイントとしては次のようなものがあります。
- どの筋肉・腱を指標とするか
- どこから何寸か
- 同じ高さや寸度にある経穴
手の太陰肺経の尺沢穴を例にとってみましょう
尺沢穴は肘前部、肘関節横紋の高さで上腕二頭筋腱の外方陥凹部に取ります。
上腕二頭筋腱を指標とし、肘関節横紋上。
尺沢穴と同じ高さである肘関節横紋上に取る経穴はこの他に少海穴、曲池穴があります。
手の太陰肺経のうち、前腕に位置する経穴は太淵穴と尺沢穴を結ぶ線上に取ります。
太淵穴の上方7寸に孔最穴、1.5寸に列欠穴、1寸に経渠穴が位置します。
指標を押さえた上でどこから何寸か、どの筋肉、腱の所に取るかを押さえていくと経穴の位置を覚えることが出来ます。
経穴同士の関連性や解剖学的知識も同時に覚えられるため理解が深まっていきます。
臨床での応用・解剖学的関連を深める方法
いよいよ最後のステップです。それぞれの経穴をどのようにして用いるかを学んでいきましょう!
経穴というより東洋医学臨床論寄りにはなってくるので応用を効かせる形になります。
様々な書籍を使って各経穴を調べていくのも1つですし論文を読んでみるのも1つです。
自由なやり方で徹底的に調べてみてください。
経穴の学習でオススメの本を紹介しているので参考にしてみてください↓
調べたことを自分の言葉でまとめたり、実際に使ってみたりすることで強く記憶に残ります。
まとめ:経穴を覚えるためには基本から徹底しよう
以上が経穴の学習法でした。
国試でも問題数が多く、点数を稼げるか稼げないかで合否を大きく左右する科目になってきます。
どんな問題がきても対応できるようにまずは基本を押さえ、少しずつ応用を効かせてきましょう。
たくさんアウトプットして周りの力も借りて経穴について多くの知識を身に付けられるよう頑張ってください‼